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1週間後の…
☆前回の続きです☆

閉店後、お店の片づけをしながら
哲哉くんは今まであまり話してくれなかった事
それぞれの仕事場でのグチみたいなものとか
プライベートでまでいろんな事を言われる重圧とか
そんなものを少しずつ話し始めた。

Nくんはそんな哲哉くんと私に気を使ったのか
外の片付けとか、ゴミ出しとかに行って。

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哲哉くんは、至って冷静だった。
暴言でもって、不満を爆発させるような事はなく
ただ、俺はこういうところに納得いかないんだよね、とか
もっとこうだったらいいのに、とか
そんなふうに話をしていく。

このお店で働く人たちって
それぞれの立場でいろんな悩みを抱えているんだよね。
不思議とみんな、それを私にも話してくれる事があって。
例えばSちゃんは美容室オーナーとしての悩みを話してくれる。
運営上の事もそうだし、金銭面の話もそう。
Hさんだってそう。Nくんも今後の夢を話してくれたりする。
そのためにみんな一生懸命頑張ってるんだ。

だけどもちろん、この4人はお互いがどんな事を考えてるのかを知らない。
少しは知っていても、関係が近すぎて逆に話せない事もあるんだって。

哲哉くんもその1人。
多分1番話をしているNくんに対しても、殆ど何も言えてない。

友達に話せばいいじゃんと言う人もいるけれど
哲哉くんちょっと変わってるから、本当に心を開いた人にしか自分の事を話したりしない。
そんな彼が心から「友達」と思っている人はほんの数人で、その大半がこの県にはいない。
この前、親友が東京から帰ってきてお店に来てた時は
今までに見たことないくらい楽しそうだったな…
親友さんが帰った後真っ先に
「あいつ俺の親友なんだ。
久しぶりにこっちに帰ってきててさ、」

って私に話してくれたっけ。

そういう意味ではなかなか悩みを打ち明けられる場所もなく
ストレスはたまる一方の生活を繰り返してるんだ。
私に話してくれる事もあるけれど、それにも限界がある。
ゆっくり話をするような暇ないし、お店の中で1対1になれば話してくれても
すぐに呼ばれたりしていってしまうし。

この前私に対して突然怒り出したことも、友達を見下したような言い方したのも
そのどちらも許される事ではないけれど(特に後者はね)
私だからこそ、だったのかもしれないなぁと思い返したりした。


話の中で哲哉くんはHさんについての想いも語ってくれた。
Hさんは、高校出て専門行った後にこの世界に身を投じて
間もなくして店を任されて以後ずっと人を雇う立場しか経験していない。
Hさんのものすごい素質を見込んだTさんという人がいて(私も1度一緒に飲んだ事あるけど)
Hさんもきっとものすごい努力をしたからこその今なんであって
下積みもなく今の地位を確立したことは本当に尊敬に値する。

哲哉くんはこんなふうに言う。
「普段すごくお世話になっていて、何度も助けられてだから感謝の気持ちがすごく大きい。
いつか自分も同じオーナー側の立場にたちたいと思ってる。
だけどたまに、この人は『雇われる側の気持ちを知らない』って強烈に感じてしまう瞬間があって
偶然にもちょうどお盆前後の時期にそれが連続した事でHさんとトラブルになってしまった。
あの人には、俺の気持ちはなかなか伝わらないんだなって思ったよ。」


2人には、2人にしかわからない事ってあると思う。
だからそこに私が口出ししてはならないと思うのだけど
今回の件でどれだけHさんが私と哲哉くんの事を気に掛けてくれていたかを知ったから。
「難しいよね。
わかってほしいと思ってる事が相手に伝わってない気がしたらやっぱり苦しいし
でも、私の目から見てHさんは哲哉くんの事を本当に大事にしてると思うよ。
それを表に出さないのもあの人らしさ。
あんまり手の内見せない人じゃん。
哲哉くんはそれで悩む事もあると思うけど、『人としてもうどうしても無理』と思うまでは
とことんついてっていい人だと私は思うけどな。」


哲哉くんはそんな私の言葉に、
そうかな…そうだよね、って、まるで自分に言い聞かせるみたいにつぶやいてた。

それから話してくれたのは、プライベートまで監視されているような生活の窮屈さ。
この前近くのコンビニの角でタバコを吸ってたらしいんだけど
その姿を見た人が哲哉くんの事
「あいつは性格が悪いからあそこでタバコを吸うんだ」
みたいに言ったらしい。
その噂が伝わってきたんだって。

それは確かに理不尽だよな、と思う。
この街で働いてて、ましてこれだけ繁盛しているお店にいれば
お客さんだけじゃなく同業者たちにも顔は割れている。
いい人ばかりじゃないのが夜の街。
自分が成功するために、相手を蹴落としたりもする。

「何でそんな言い方されなきゃいけないのか俺理解できねぇし。」
「そりゃそうだね。うん。哲哉くんは悪くない。
だから一々そんなの気にしちゃ勿体無いよ。
言いたいやつには言わせておけばいい。
同じ土俵にわざわざ下がってやる必要なんてないし。
どんな事があったって、わかってくれる人はたくさんいるじゃない。
それは、このお店に来るお客さんが哲哉くんを大切にしてくれてる事で
よーくわかるでしょ。」


普段は強気で上から目線で、見た目もおっさんだから(笑)
まるで私の方が年下みたいに頼りっぱなしの事の方が多いけれど
何だかんだでまだ若いんだよね…哲哉くんの方が年下だもん。

弱さとか、苦しい事とか悩みとか
そういうものを、私にもこうして話してくれるようになった。
何だかすごい事のような気がした。

そして帰り際の一言が、私は何よりも嬉しかったんだ。
「結愛ちゃん、
この前は俺、大人げない事しちゃって悪かったなって思ってる。」


…伝わったんだ。想いが。
性格的にこういう事を素直に伝えられない彼が、精一杯頑張って搾り出した言葉。
嬉しかったのと、こいつかわいいなーって思って
思わず私、その場で笑い出してしまった。

「何だよ!人が真面目に話してるのに笑ったなおまえ(-_-)」
「うぅん、よかったなぁって思って嬉しかったから。」
「嬉しい?意味わかんね。」
「いいの、私がそう思うんだから。」

あの夜から1週間かかって私たちはようやく、本当に明るい朝を迎える事ができました。


テーマ : 愛のかたち
ジャンル : 恋愛

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(非公開コメント受付中)

プロフィール

結愛-YUE-

Author:結愛-YUE-
これまでの出来事は
コチラ
2010.4.26更新しました。

このブログに出てくる人については
コチラ
2010.3.18整理しました。

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