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ダブルベッドの上で。
誘惑に負けた、と言われればそれまでの事。
あの時、行くべきではなかったのかもしれないと、今ならわかるから。

だけど、踏み出してしまった。

1人でいたくない。
大好きな人と、同じ顔をした慶ちゃんに、
守られていたい。

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私が若干の躊躇を見せている間に、
慶ちゃんは私の右手首を掴むと彼の家の方向へと歩き出した。
私は大した抵抗もしないままに、彼のあとをついてった。

この人は、大好きだった彼じゃない。
この人には、守るべき奥さんがいる。
この人は、私の大切なお兄ちゃんみたいな友達。

それでも。
その事よりも。
もう完全に錯覚に陥ってしまった私には、自分の行動の判別すらつかなくなっていた。

大好きだった人と同じ顔をした人が、私を抱きしめてくれた。
私を、1人にできないと言ってくれた。
そばにいると言ってくれた。

きっと到底誰にも理解してもらえないんだろうと思う。
自分自身が、まだ理解しきれていないから。

慶ちゃんは私の手を強く握ってやっぱりジャケットのポケットに入れる。
そうして私の家から歩いて5分もかからないうちに彼の家に着いた。
場所は知っていた。
まだこういう事になる前、美味しいうどん屋さんがあるから行こうって話になって
私が車で家まで迎えに行った事があって。

こんな夜中に、友達とは言っても男の1人暮らしの部屋へ行くなんて
危険すぎる事はわかってた。
それでももう、留まる事なんて出来なかった。

彼の部屋に着くと、狭い部屋が1つ。
彼はテレビの前のところのクッションに私を案内してくれて
「とりあえず座れば?」
そう言ってお水を出してくれた。

慶ちゃんの優しさ1つ1つが、やっぱりどうしても大好きだった人に見えてしまう。
私は慶ちゃんに背を向けて、床に座って泣いた。
そんな私を慶ちゃんは、後ろからそっと抱え込むように抱きしめてくれた。
何も言わず、ただただ優しく抱きしめてくれた。
余計に泣けた。

時間にしてどのくらいだろう。
とてもとても長い間、私たちはそうしていた。
ひたすら泣き続ける私と、何も言わずにそばにいてくれた慶ちゃん。

抱きしめてくれる力強い腕も
体から伝わってくるその体温も
私の感覚を麻痺させるには十分過ぎた。

泣くだけ泣いて、スッキリして
「慶ちゃん、ごめんね心配かけて。
ちょっと落ち着いたから家帰るわ。」

そう告げて、私の体に回された慶ちゃんの腕をそっと掴むと
「じゃあお願いだ。
今夜は俺と一緒にいてくれ。
ただ隣にいてくれればそれでいい。
結愛と一緒にいたい。」


彼が、今まで見た事のない表情をしてそんな事を言う。
大好きだった人は、見せなかった表情。

それなのに。

私は、慶ちゃんと彼を重ねて見ていくうちに
もしかしたら彼らを同一視し始めてしまったのかもしれない。

慶ちゃんそのものは今もやっぱり大切な友達。
だけどそれだけじゃ自分の頭の中で整理がつかなくなってしまった。

その日
私は慶ちゃんの腕の中で、一晩眠りについた。

今日だけ。
今日だけ。

そう思いながら間近で見る彼の寝顔も寝息も
やっぱりあの時とおんなじだと
私はそんな事を考えていた気がする。


テーマ : 複雑な心。
ジャンル : 恋愛

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結愛-YUE-

Author:結愛-YUE-
これまでの出来事は
コチラ
2010.4.26更新しました。

このブログに出てくる人については
コチラ
2010.3.18整理しました。

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